フリーダイアル0120-36-2288

アラビノキシランの概要

アラビノキシランの概要

米ぬかとキノコから抽出された活性食物繊維「アラビノキシラン」は、多くの医療機関や大学で研究されています。
特にNK細胞との関係が主に研究されており、その結果が米国などの学会で発表されています。

生体防御能力を高める食物

私達の健康に影響を及ぼす要因には、環境・ストレス・老化・食生活などがありますが、その中でも食物が健康に影響を及ぼす最も大きな要因であると考えられます。

それは、食物が大変複雑な化学物質の集合体であり、身体に取り込んだ様々な食物の成分が、お互いに関係を持って種々な働きをしている可能性があるからです。

このような食物の機能として、生体防御・脂質及び糖代謝・体調の調節などがあり、近年、自然治癒力との関係で免疫強化やリンパ系刺激に食品の成分が関与していることが解明され、食物を食べて病気を防ぎ、健康を維持できることが徐々に明らかにされつつあります。

生体防御能力を高め、より高度な健康を維持するための食物、そのような視点からこの変性米ぬ かアラビノキシランは発見され、その応用が検討されています。

免疫細胞のいろいろ

私達が健康を保つためには、病気の原因となるウイルスや細菌、体内に発生する異物、ガンなどに対する免疫力を高めて、病気となる原因から身を守ることが大切です。

私達の身体の中には、免疫細胞が常に戦っています。異物が侵入すると、まず、好中球がこれを排除するために攻撃を開始します。

マクロファージは、異物を取り込み食べてしまいます。そして、キラーT細胞は、ガン細胞等を攻撃します。

この細菌の中にはウイルスなどの異物から生命を守るための5千億個にもおよぶ免疫細胞があります。また、NK細胞は免疫細胞全体の10%で、自然免疫を担う細胞として注目されています。

これらの免疫細胞は、全て骨髄で原形が生産され、その後、様々な器官で成長し、それぞれの役割を果たします。

アラビノキシランとは

アラビノキシランはイネ科植物に多く含まれる成分で、植物の「骨」の働きをする高分子糖質のヘミセルロース、つまり食物繊維の一種です。

アラビノキシランは、米や麦の種子の貯蔵成分ではなく、種皮を構成する種子の保存物質の主成分で、あまり食用には供されておらず、人間に対する生理的な働きはあまり注目されていませんでしたが、最近、米ぬかからのヘミセルロースを変性させた米ぬかアラビノキシランが研究され、健康食品素材としての期待が広がってきています。

健康食品素材アラビノキシランは、米ぬかヘミセルロースとシイタケ菌の酵素から抽出されます。

米ぬかヘミセルロースの主な成分(構成糖)はアラビノースとキシロースで、それ以外の構成糖を酵素を用いて加水分解することによって、より純粋なアラビノキシランを得ることができます。

アラビノキシランの構造モデルはアラビノースとキシロースの複合体です。

アラビノースとキシロースは、いずれも炭素が5つの5炭糖と呼ばれる単糖で、ブドウ糖など多くの糖類は炭素が6つの6炭糖によって構成されており、キノコ類の多糖類集合体の主成分であるβ1.3グルカンもブドウ糖の重合体で、アラビノキシランとは異なっています。米ぬかアラビノキシランの分子量は、5,000~30,000ダルトン程度で、食物繊維としては分子量が極めて小さいことが特徴です。(経口で血中に非常に吸収されやすい)

米ぬかアラビノキシラン誘導体(バイオブラン)とは

【米ぬかアラビノキシラン誘導体とアラビノキシランの違い】
バイオブラン(米ぬかアラビノキシラン誘導体)は、米ぬかに含まれている低分子で可溶性の繊維質(ヘミセルロースB)を主な原料としています。

ヘミセルロースBは、200個前後のアラビノースとキシロースを主とする糖からできていますが、腸管から吸収され、免疫調節作用を発現するように工夫してあります。

一方、食物繊維のアラビノキシランの大部分を占めるヘミセルロースAは高分子で不溶性ですので、一般的な食物繊維として腸管を通過し、免疫力を強化するなどの特別な作用は期待できません。

実験の結果ヘミセルロースBそのものにも特別な作用は認められず、ヘミセルロースBを複数の炭水化物分解作用を用いて部分的に変性させ、一種のヘミセルロース誘導体に変換することにより初めて免疫調節作用を有するようになりました。

米ぬかから得られ、主な構成糖をアラビノースとキシロースとする変性させた多糖類であることから、私たちはこの成分を「米ぬかアラビノキシラン誘導体」と呼んでいます。ですから、米ぬかそのもの、トウモロモシ、小麦、笹、等に含まれているアラビノキシランとは全く構造が異なるものです。

米ぬかアラビノキシラン誘導体(バイオブラン)の製造工程

米ぬかアラビノキシラン誘導体(バイオブラン)の製造工程 1.炭水化物分解複合酵素(carbohydrase complex)の製造
2.米ぬかからヘミセルロースB(=水溶性画分)の抽出
3.イネヘミセルロースBの誘導体作成

AHCCとの違い

AHCCは、キノコの菌糸に米ぬかの酵素を反応させた、ヘミセルロースを多く含む植物性多糖類です。

変性米ぬかアラビノキシラン(バイオブラン)は、AHCCの改良されたものです。NK細胞(免疫細胞)の活性では、変性米ぬかアラビノキシランはAHCCを遥かにしのいでいます。

変性米ぬかアラビノキシランはAHCCと違い、どのような水分にもすぐ溶け、非常に飲みやすく、吸湿性が少なくなっています。また、AHCCは特有の味覚があり摂取しにくい場合もありましたが、その点も改良され、お召し上がりいただきやすくなりました。

雑誌記事

ClinicMagazine ’99年3月号
ClinicMagazine 1999年3月号

NK細胞は腫瘍免疫に重要な役割を担う
患者の免疫能を高めることが末期がん患者のQOLを向上させるだけでなく、再発の遅延や予防に重要な役割を担っていることが判明しているが、そうした免疫能賦活効果を持つ成分として今、アラビノキシラン(MGN-3)が注目を集めている。

アメリカでは現在、がん細胞やウイルス感染細胞などを殺す働きを持つNK細胞の研究が盛んだが、この細胞はサイトカインを分泌して免疫反応を調節、ことに腫瘍免疫において重要な役割を担っており、アラビノキシランはこのNK細胞を賦活化する作用を持っている。

このNK細胞の作用については、この分野の第一人者であるUCLA/DREW医科大学免疫学教授・M.ゴーナム氏の研究でも明らかで、NK細胞作用に対するアラビノキシランの効果を検討したところ、標的細胞へのNK細胞の結合能が、アラビノキシラン投与によって明らかに向上することが認められている。

さらに、がん細胞などによって起きたNK細胞内顆粒の減少に対しても、アラビノキシランは再顆粒化を促し傷害性を持ったNK細胞に再生する働きを持つことも突き止められている。つまり、アラビノキシランはNK細胞ががん細胞などを認識する能力を高めると同時に、標的細胞を打ち倒すための能力も充実させる働きを持つ。

また、ゴーナム氏らはアラビノキシランがNK細胞の活性化だけでなく、T細胞やB細胞などの免疫系全体を賦活化することも見い出しており、特に産生が高まるのはIFN(インターフェロン-γ)やTNF(腫瘍壊死因子)だと報告している。

アラビノキシランが主成分の食品「バイオブラン」
これまでもNK細胞の活性化を狙った免疫療法は行なわれてきた。その代表的なものはIL-2の投与で、NK細胞はIL-2の刺激で増殖活性化されLAK活性を示すようになる。ただ、高濃度のIL-2投与では副作用が強く十分な成果が得られなかった。低用量でも抗がん作用を発揮させるためにアラビノキシランとの併用療法について検討したところ、高い相乗効果が得られたという。

実は、このアラビノキシランを主成分とする米糠を材料に開発された植物性多糖加工食品が、日本で既に発売されている。大和薬品が開発した「バイオブラン」がそれだ。近年、免疫能の低下が危惧されるがん患者らを対象に、使用する医療機関が増えているという。


ClinicMagazine ’99年4月号
ClinicMagazine 1999年4月号

NK細胞の活性が回復
先月号でアラビノキシラン(MGN-3)が、がん細胞やウイルス感染細胞などを殺すNK細胞を賦活化する作用のあることを紹介した。このアラビノキシランをはじめ多糖類、多糖蛋白質を含むのが、免疫調節作用を有する食品として大和薬品より発売されている『バイオブラン』(植物性多糖加工食品)だ。

がん患者の免疫能を高め、治療後の再発防止やQOL向上を目的に、現在、ホリスティック医学によるがん治療を提唱する帯津良一氏(日本ホリスティック医学協会会長)をはじめ、全国200近い医療機関で使用されている。

言うまでもなく医療機関での使用を広げるには、科学的裏付けがなければならない。大和薬品では8年前からアラビノキシランに関するデータを収集してきた。

Dr.ゴーナムも、抗がん剤投与後にNK細胞活性が阻害された症例にアラビノキシランを加えることで、NK細胞活性が抗がん剤投与前以上に回復したとの実験結果を報告している。

また、昨年8月に日本食品機能研究会主催で行われたアラビノキシラン特別研究会でも、前立腺がんの患者に対する成績で、ホルモン療法終了後にアラビノキシラン投与を開始した症例で、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAが長期間にわたって正常値を維持するといった報告がなされたのをはじめ、各種の著効例が示された。

富山医科薬科大も効能を報告
また、『バイオブラン』が免疫調節作用を有する食品であるため、がん疾患以外にも、HIV感染、ウイルス肝炎、糖尿病の改善をはじめ、コレステロールの低下作用のあることも指摘されている。

現に、昨年12月に開催された第3回JsoFF学会集会では、富山医科薬科大学による研究「バイオブランの活性酸素消去能の検討」で、アラビノキシランが、老化や疾病にかかわるとされているスーパーオキシドアニオンラジカルやハイドロキシラジカルの消去能が高いことが判明、特にFenton反応に対するハイドロキシラジカル消去能に優れていたとの報告もなされた。